平成20年から始まった「ふるさと納税」ですが、そのお得感から今だに人気が衰えていません。
しかし仕組みがよく分からないため、実行をためらってしまわれる方もいらっしゃいます。
そこで概要ではありますが、ふるさと納税について10のステップで理解できるように解説してみました。
【Step1】「ふるさと」はどこでもよい
自分のふるさとである必要はありません。
全国の都道府県、市区町村といった地方自治体が対象です。
【Step2】「納税」ではない
ふるさと納税の税務上の仕組みは「寄付金控除」です。
寄付をすることによって、納税をしたことと同じような結果になる制度です。
【Step3】確定申告が必要
各自治体が発行する領収書を添付して、確定申告をしなければ寄付金控除は受けられません。
※平成27年度改正により、平成27年4月1日以後の寄付については、申請により確定申告が不要となる場合もあります。
確定申告をしないサラリーマン等が該当します。(5団体以内の寄付の場合)
【Step4】申し込み方法は専用サイトで
ふるさとチョイス、さとふるなどのふるさと納税サイトをご利用ください。
【Step5】計算のイメージ
3万円寄付したら3万円税金が安くなるイメージです。
自分のお金の変動はプラスマイナス「ゼロ」ということです。
結果的に納税先が変わることになります。
【Step6】足切り額がある
実際には2千円の足切り額があるので、例えば3万円寄付しても2万8千円税金が安くなることになります。
(※ただし限度額があるので2万8千円安くならない場合もあります。→Step7)
その2千円は自分で負担をすることになります。
【Step7】安くなる限度額がある
税金が安くなると言っても、実は限度額があります。
この金額は収入や所得によって違います。
つまり人それぞれということになります。
平均的な収入のサラリーマンが、思い切って20万円のふるさと納税をしても、税金が安くなるのは5万円程度という可能性もあります。
身の丈に合った金額にすれば、この例で言えば5万円のふるさと納税にすれば、自己負担分は少なくなります。
もちろん震災の被災地復興などのために、見返りを求めず多額の寄付をすることは素晴らしいことです。
何も限度額に抑えなければならないというルールはありません。
【Step8】安くなる税金とは
所得税と住民税が安くなります。
例えば所得税のみ安くなるというわけではありません。
住民税は後払いなので、その恩恵を受けられる時期はズレることになります。
※平成27年度の改正により、住民税のみが安くなる場合もあります。
【Step9】最大のメリット特産品
例えば3万円のふるさと納税(寄付)を、ある地方自治体にしました。
税金が2万8千円安くなりました。
これではメリットが特に感じられません。
そこで各自治体では、ふるさと納税をされた方へ特産品をお送りしている場合が多いのです。
寄付をした金額に対応した特産品が送られてくるわけですから、かなりお得ではないかと思います。
つまり自分のお金の変動はほぼプラスマイナス「ゼロ」に近い負担で(最低でも2千円の負担は必要)、特産品がもらえるのでお得なのです。
特産品についてはStep4で紹介したふるさとチョイス、さとふるなどをご参照ください。
【Step10】結論
控除できる範囲内でふるさと納税をした場合、2千円の自己負担で各地方の特産品を手に入れることができます。
よって多額の税金を払われている方ほど、多くの特産品をもらえるチャンスがあることになります。
この機会に一度考えてみてはいかがでしょうか。
自分はいくらまでの寄付なら控除できるのか、各専用サイトに限度額の計算ページがあるので試算することができます。
【補足】計算の概要
控除税目 | 控除対象額 | 控除額の計算 |
①所得税 | 寄付金-2千円 | 所得控除(適用される所得税率分が軽減) |
②住民税(基本分) | 寄付金-2千円 | 10%の税額控除 |
※①、②での控除不足額を③で控除(所得割額の2割が限度) | ||
③住民税(特例分) | 寄付金-2千円 | 100%-10%-適用される所得税率 |
※所得税率には復興特別所得税分も含む。
①の控除対象額は総所得金額の40%が限度
②の控除対象額は総所得金額の30%が限度
所得割額の2割が限度とされる措置は平成27年の寄付より適用(以前は1割)