間違えやすい年末調整のQ&A

そろそろ年末調整の時期がやってきました。
当サイトへのアクセスも年末調整関係のものが増えてきています。

そこで少し早いのですが、年末調整に関する一般的な疑問点について解説してみます。

1月に支給した給料も年末調整に含めるの?

シンプルに考えて、1月の支給予定日に支給されたものは1月の給料となります。
いつ働いたのかは関係ありません。

労働基準法が基になり、会社は最低でも月に1回は給料の支払い日を設けていると思いますが、その日に給料の収入が確定します。

12月20日が給料日であれば、その日の給料までが年末調整の対象になります。
もちろん12月中にボーナスを支給したのであれば、そのボーナスも対象となります。

計算期間が12月21~翌年1月20日だとか、そのようなことではなく会社で決められている支給日で判断します。

なお資金繰りの都合で支給予定日に給料を支払われなかったとしても、あくまでも会社で決められている支給日に給料の収入が確定します。

よって未払いの給料でも年末調整をするケースもあります。

過去の残業代を支払った場合は?

これも上記の問題と関係してきますが、最近は訴訟などにより過去の残業代を支払うケースも見受けられます。

この場合も、やはりその支給日の年分の給料ということになりますので過去の年末調整をやり直す必要が出てきます。

しかしこの作業は事務負担が大きいので、損害賠償金的な支払いとして一括支給する方法も考えられます。(合意が前提です。)
その場合の取り扱いは今年に支払った賞与と同じになるので、事務負担は軽減すると思います。

前職の源泉徴収票がない場合は?

中途採用者でどうしても前職の源泉徴収票が手に入らない場合は、年末調整はできないので通常の源泉徴収だけをしておきます。
(源泉徴収票に前職の給与不明の旨を書いておきます。)

後は本人が確定申告をすることになりますが、税務署に源泉徴収票を発行してもらえなかったことを伝える必要があります。

税務署はその会社に源泉徴収票の発行を促すことになりますが、それでも判明しない場合は、現実的には給与明細書や通帳の振込記録などの資料から計算することになります。

親を扶養している場合の節税方法は?

親を扶養していて、扶養控除の要件に該当する場合は扶養控除が受けられます。
その際よくあるのが、年金から天引きされている後期高齢者保険料です。

これは天引きされている本人が支払ったことになるので、支払い方法を天引きではなく、扶養している人の口座からの引き落としにしておきましょう。

これで扶養控除と社会保険料控除のダブルの控除を受けられる可能性があります。

外国人の妻は控除対象配偶者に該当するか?

所得などの要件は満たしていると仮定して、
日本で婚姻届を提出していれば、問題なく該当します。

一方で大使館などに届出を提出している場合は、その国の法令で婚姻関係が成立していれば、該当することになります。

所得の計算はどうすればいいの?

まず所得と収入は違うので気を付けて下さい。
給料収入だけの場合、収入が162万5千円以下であれば65万円を引いて計算します。

(例)150万円→ 150-65=85 所得は85万円になります。

こちらの国税庁のホームページでは給与所得の計算ができます。
※ページの最後に計算フォームがあります。

給料以外にも収入がある場合は複雑になる可能性があるので、会社や税務署などへお尋ね下さい。

離婚をしましたが、配偶者控除や扶養控除はどうなりますか?

配偶者控除や扶養控除は12月31日で判断します。
よってその時点で配偶者でない場合は、配偶者控除を受けられないことになります。

子供(16歳以上)については、扶養控除の要件を満たせば受けることができます。
※父親と母親が同時に受けることはできません。

亡くなった場合の配偶者控除や扶養控除はどうなりますか?

扶養していた方が亡くなられた場合は、その亡くなられた時点で判断します。
よって1月1日から、その死亡時点までの所得を計算します。

その結果要件を満たしていれば、各控除を受けられます。

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