優遇されている退職金の課税

会社勤めの方であれば、誰でも退職時に退職金を期待すると思います。
特に定年で退職した場合はその後の生活が心配ですから、退職金は貴重な生活資金になるはずです。

そのことは国も配慮をしていて、退職金に対する課税はかなり優遇されています。
それほど難しくはないので、ここでは簡単に計算方法に触れてみようと思います。

まず退職金に対する税金を計算する場合は、一定の控除があります。

退職所得控除額と言いますが、勤続年数1年につき40万円です。
ただし20年を超えると、1年につき70万円の控除が認められています。

勤続年数15年のケースでは、40万円×15で、600万円の控除があります。

28年だったらどうなるでしょうか。
まず20年目までは40万円なので、40万円×20で、800万円となります。

残りの8年分については、70万円×8で、560万円となります。
800万円+560万円で、結論として1,360万円を控除することになります。
言い方を変えれば、1,360万円までは税金がかからないことになるのです。

さらに退職金はまだ優遇されています。
先ほどの例でもし1,360万円を超える退職金を受け取ったとしても、残りの金額は半分にしていいのです。

退職金が2,000万円なら、2,000-1,360=640となりますが、その640万円を半分にして、320万円が課税の対象となります。
もともとが2,000万円ですから、相当課税対象額が低くなっていることが分かると思います。

そして税率をかけて納税額を算出しますが、ここでもお得な計算方法となっていて、他の所得と合算しなくてもいいのです。

例えば自営業などの事業所得と、不動産所得などは合算して税金の計算をするため、適用される税率が10%、20%、23%・・・と上がっていってしまいます。

しかし退職金は合算をせずに単独で計算していいことになっているので、税率を低く抑えることができるのです。

このように退職金についてはそれほど多額の税金がかからないようになっているので、興味がある方は自分の退職金を予想して、税金の試算をしてみるのも面白いのではないでしょうか。

なおこの他にも細かいルールがあるので、国税庁のホームページなどをご参照下さい。

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