平成27年度の税制改正の主な項目をご紹介します。
(法人税)
1 税率の引下げ
・税率が現行の25.5%から23.9%へ引下げられます。
・平成27年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
2 欠損金繰越控除制度の見直し
・控除限度額が現行の80%から65%、50%と段階的に引き下げられます。
(中小法人等は現行の100%のまま)
・再建中の法人、新設法人は7年間、所得金額が控除限度額とされます。
・平成27年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
・繰越期間が10年に延長されます。
・平成29年4月1日以後に開始する事業年度に生じた欠損金について適用されます。
3 受取配当等の益金不算入制度の見直し
・株式等の区分、益金不算入割合について一定の改正がされています。
・その他所要の整備がされています。
・平成27年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
4 地方拠点強化税制の創設
・青色申告法人が地方拠点建物等を取得等し、事業の用に供した場合は、一定の特別償却又は税額控除の選択適用が認められます。
・地域再生法の改正法の施行日以後に取得等したものについて適用されます。
5 各租税特別措置法上の制度の見直し等
主に以下の制度について一定の改正がされています。(所得税法も同様)
・試験研究費の税額控除
・所得拡大促進税制
・グリーン投資減税
・生産等設備投資促進税制(廃止)
・設備投資促進税制
・長期所有土地建物等の買換えに係る特例
・外国子会社合算税制
6 その他
・帰属主義への変更の円滑な実施のための一定の改正がされています。
(消費税)
1 税率10%引上げ時期の変更
・税率10%引上げの施行日が平成29年4月1日とされました。
・経過措置の指定日が平成28年10月1日とされます。
2 免税店制度の見直し
・免税手続きが委託できる制度が創設されます。
(外国人旅行者などが行う店舗ごとの免税手続きがまとめて行えます。)
・平成27年4月1日以後に適用されます。
3 越境課税の見直し
・海外配信のインターネット等による一定のサービスが消費税の対象となります。
(電子書籍、音楽、広告等)
・平成27年10月1日以後に適用されます。
(所得税)
1 NISA制度の拡充
・平成28年分以降の非課税口座限度額が120万円に引き上げられます。
・子供版NISA(非課税限度額80万円)が創設され、平成28年4月1日以降の受け入れ上場株式等について適用されます。
2 出国時課税制度の創設
・出国時に有価証券等の譲渡損益を認識することとされます。
・有価証券等が国外居住者に移転する場合も同様の措置がなされます。
・平成27年7月1日以後の出国又は移転について適用されます。
3 財産債務明細書の見直し
・平成28年以後提出の財産債務明細書が財産債務調書に変わります。
・所得2千万円超の他、所有財産3億円以上又は所有有価証券1億円以上の要件が加わります。
・提出の有無により所得税等の申告漏れの場合のペナルティについて加減がなされます。
・罰則規定はありません。
4 その他
・住宅ローン減税の延長等一定の改正がされています。
(相続税・贈与税)
1 住宅取得資金贈与制度の見直し
・平成27年1月1日から平成31年6月30日までの贈与について、非課税限度額の見直しがされています。
2 結婚・子育て資金贈与制度の創設
・結婚・子育て資金を金融機関に信託等した場合に、最大1,000万までの贈与税を非課税とする制度が創設されました。
・平成27年4月1日から平成31年3月31日までの贈与に適用されます。
3 教育資金贈与制度の拡充
・教育資金贈与制度について一定の改正がされております。
4 その他
・事業承継税制の拡充等一定の改正がされております。
(地方税)
1 ふるさと納税の拡充
・平成28年度以降の住民税について、特例控除額の限度額が現行の所得割10%から20%に引き上げられます。
・平成27年4月1日以後のふるさと納税について、申請をした場合に確定申告を不要とする措置がなされます。
2 外形標準課税の拡大
・法人事業税の外形標準課税について一定の改正がされております。
3 均等割(法人住民税)の適用税率区分の見直し
・平成27年4月1日以後に開始する事業年度より、均等割の判定基準となる資本金等の額について一定の改正がされております。