平成31年度税制改正の主な項目をご紹介します。
(所得税)
1 住宅ローン控除制度の見直し
・消費税10%が適用される住宅取得等について住宅ローン控除の特例が創設されます。
・平成31年10月1日から平成32年12月31日までの間に自己の居住の用に供した場合に適用されます。
2 空き家に係る譲渡所得の特別控除制度の見直し
・被相続人が相続開始直前まで老人ホーム等に入所していた場合も対象に加える等、適用要件が緩和されます。
・平成31年4月1日以後に行う譲渡について適用されます。
3 仮想通貨に係る所得計算方法の明確化
・売却した仮想通貨の取得価額算定方法は移動平均法又は総平均法となります。
・平成31年以後に適用されます。
4 配偶者に係る所得控除の適用方法の見直し
・源泉控除対象配偶者に係る給与等又は公的年金の源泉徴収は夫婦のどちらか一方しか適用できなくなります。
・令和2年以後に適用されます。
5 公的年金等に係る源泉徴収制度の見直し
・扶養控除等申告書を提出しなかった場合の公的年金等の源泉徴収について見直しが行われます。
・令和2年以後に適用されます。
6 確定申告書に記載方法及び添付書類の見直し
・給与等の源泉徴収票等について確定申告書の提出時に添付又は提示が不要となります。
・確定申告における所得控除の額が年末調整時と同じである場合は合計額の記載のみで足りることになります。
・平成31年4月1日以後に提出する場合に適用されます。
7 その他
・その他一定の改正がされています。
(法人税)
1 中小企業等に係る軽減税率の適用期限の延長
・中小企業等に係る軽減税率の適用期限が延長されます。
・令和3年3月31日まで延長されます。
2 仮想通貨の期末評価基準の導入
・事業年度末に有する活発な市場が存在する仮想通貨については時価評価により評価損益を計上します。
・平成31年4月1日以後に終了する事業年度から適用されます。
3 公益法人等の貸倒引当金制度の廃止
・公益法人等又は協同組合等の貸倒引当金の制度が廃止されます。
・一定の経過措置が講じられています。
4 法人設立届出書等の添付書類の見直し
・法人設立届出書の添付書類が定款のみとなります。
・平成31年4月1日以後に提出する場合に適用されます。
5 その他
・その他一定の改正がされています。
(相続税・贈与税)
1 個人事業者の事業用資産に係る納税猶予制度の創設
・個人事業者の事業用資産に係る相続税、贈与税の納税猶予制度が創設されます。
・平成31年1月1日から令和10年12月31日までに取得する財産について適用されます。
2 小規模宅地等の課税価格の計算特例の見直し
・特定事業用宅地等の範囲から相続開始3年以前に事業の用に供された宅地等(一定のものを除く。)が除外されます。
・平成31年4月1日以後に取得する土地等について適用されます。
3 成年年齢引き下げに伴う見直し
・民法の改正により成年年齢が18歳へ引き下げられたことにより未成年者控除等における現行で20歳とされている部分が18歳へ引き下げられます。
・令和4年4月1日以後に適用されます。
4 配偶者居住権の創設に伴う取扱いの明確化
・配偶者居住権等の評価方法が定められます。
・令和2年4月以後に適用されます。
5 特別寄与料の取扱いの明確化
・特別寄与料に対して相続税が課税されます。
・令和元年7月以後に適用されます。
6 その他
・その他一定の改正がされています。
(消費税)
1 輸出物品販売場制度の見直し
・イベント等での臨時免税店を認める制度が創設されます。
・令和元年7月以後に適用されます。
2 金地金に係る仕入税額控除の見直し
・金又は白金の地金について密輸品と知っていた場合は仕入税額控除が適用されなくなります。
・住民票等の本人確認書類の写しが必要となります。
・密輸品については平成31年4月以後、本人確認書類については令和元年10月以後に適用されます。
3 その他
・その他一定の改正がされています。